交通事故発生直後の対応

交通事故の被害に遭った場合、被害者の方は動揺してしまうなど、後の損害賠償に向けて適切な対応ができないことと思います。今回は、交通事故直後の対応について説明致します。

1 加害者等の確認 

交通事故の被害者は、加害者に対して、民法709条及び自賠法3条により、損害賠償を請求することができ、また、加害者が加入している任意保険会社からその賠償の支払いを受けることになります。そこで、今後の請求の相手方を特定するため、被害者は、事故現場において①加害行為者の氏名・住所連絡先、②加害行為者の勤務先の名称・連絡先、③加害行為者の自賠責保険及び任意保険会社の保険会社・契約番号などを確認する必要があります。

2 警察への報告 

交通事故の車両運転者には、事故発生後直ちに警察へ事故報告義務が課されています(道路交通法117条、117条の3第1項、119条1項10号)。加害者側が警察への報告義務を怠る場合には、被害者側の方から警察に報告すべきです。仮に、報告をしなければ、警察から交通事故証明書を発行してもらえず、損害賠償請求に際し支障が出ます。したがって、被害者の方は、どのような事故であっても警察に報告することが大切です。

3 証拠の保全

交通事故が人身事故の場合には、刑事事件として警察が現場で実況見分を行い、事故状況等を詳細に記載した実況見分調書を作成し、また警察・検察の取調べにより供述調書が作成されます。これらの刑事記録は、民事訴訟や示談において重要な証拠価値を有するものです。したがって、被害者の方は、実況見分には必ず立ち会い、十分に説明を行い、その説明が正確に調書に記載されたか否かを確認する必要があります。
 また、被害者の方自身が独自に証拠の保全を行う必要があります。具体的には、カメラ等により日付け入りの写真や動画を録画し、①現場の状況(道路状況、信号機、横断歩道、照明、樹木、標識、交通量、交差点の見通し、時刻、天候など)②事故に関連する状況(双方車両の破損状況、道路上のスリップ痕の長さ、擦過痕、血痕等の状況)③被害の状況(被害者の転倒位置、衝突地点、血痕の位置、破片の位置等)を記録しておくべきです。

4 最後に

交通事故の被害に遭った場合、その直後から様々な対応をとることが必要になりますので、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。
 

大阪A&M法律事務所では交通事故の被害者の方の相談をお待ちしております。