休業損害の計算方法(主婦・サラリーマン・自営業者)

交通事故にあった場合、治療や療養が必要になれば、それだけ仕事を休まなければなりません。しかし、休めば休むほど本来得ることができたはずの収入・利益が失われます。これを「休業損害」といいます。

治療というのは、続ける意味がなくなった段階(これ以上良くならない状態)に達すると「症状固定」となりますが、これまでの期間に被った休業損害は相手に請求することができます(症状固定後の労働能力の低下は「逸失利益」として相手に請求することができます。)。

とはいえ、休業損害は対象となる方の職業などによっても大きく異なるため、主婦・サラリーマン・個人の自営業者の場合について、以下に簡単な計算方法をまとめてみました。

主婦の場合の休業損害計算

主婦の場合、サラリーマンや自営業者のように給料というものはありません。そこで、自賠責保険基準では基礎収入を5700円とし、そこに休業日数を乗じます。一方で、裁判基準の場合、賃金センサスを基準とし、女子全年齢平均賃金の年収を365日で割り、1日当たりの基礎収入とし、そこに休業日数を乗じる計算をする場合が多いです。

また、治療や療養のためにどの程度の主婦業が制限されたかが金額算定に影響します。たとえば、最初の1ヶ月は入院をし、次の1ヶ月は主婦業が60%制限されたとなれば、1ヶ月分の休業損害+1ヶ月の60%の休業損害が請求できるというわけです。

また、主婦といっても家事労働だけをしている方だけではありません。実際に収入があれば、賃金センサスの女子全年齢平均賃金と比較し、多い金額で請求することになっています。

サラリーマンの場合の休業損害計算

サラリーマンの場合、事故前3ヵ月の総支給額を90日で割り、1日当たりの基礎収入を算出します。この基礎収入に休養日数を乗じた数字が休業損害で請求できる金額です。また、有給休暇を使用した場合、本来、交通事故さえなければ使用していなかったことからも、有給休暇分を含めた休業損害の請求が可能です。

その他、休業が理由となり賞与が減額されたり、不支給になったりした場合や、予定されていた昇給などが遅延した場合も、損害の一部として請求が可能となっています。なお、会社の役員報酬がある場合、労働していなくても発生する配当的報酬については、休業していなくてももらえるため、休業損害には含まれません。

個人の自営業者の場合の休業損害計算

自営業者の場合、サラリーマンのように収入が安定していないケースが多く、計算も多少複雑になっています。ただ、基本的には上記と同様、基礎収入×休業日数という計算にて求めます。

問題となるのは基礎収入の算出についてですが、自営業者の場合は年収を基に算出します。よって、通常は確定申告書を用いるのですが、収入に波がある方の場合は、年度ごとにバラつきがあるため、今年に限っては収入が多いなどは、現在作成中の本年分の帳簿なども利用します。

とはいえ、確定申告書を税理士などに任せていない場合、税務上の処理が正確になっておらず、所得が小さく計算されているケースもありますし、そもそも確定申告書を作成していない方もいらっしゃいます。

こういった場合、基礎収入額の算定を巡って保険会社との争いになることが多いため、早い段階で当事務所にご相談ください。1日当たりの基礎収入により休業損害の総額は大きく変わってくるため、非常に重要な交渉となってきます。