交通事故被害による高次脳機能障害を交通事故専門弁護士に相談する

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、脳の高次脳機能に生じた障害ということになりますが、医学書院の医学大事典によると「高次脳機能は要素的なものではなく諸連合野を働かせる統合的な機能で,階層的構造をもつ複雑な機能系であるため,障害される構成環の違いによって,その障害の形が異なる。脳損傷者のリハビリテーションの阻害因子となる症状で,失語,失行,失認,記憶障害などの部分的障害と,認知症などの全般的障害に分けられる。」されています。もっとも、統一された定義というものはありません。

交通事故による高次脳機能障害の特徴

交通事故により脳外傷を負ったことによる高次脳機能障害の特徴としては、認知障害、行動障害、人格変化といった典型的な症状が出現し、交通事故による受傷直後の急性期に重篤な症状が出ていたとしても、徐々に軽快していくこと、高次脳機能障害の原因としてはびまん性脳損傷であることが多いことなどがあげられます。

そして、自賠責の等級認定において、高次脳機能障害と認定されるためには、これらの特徴が被害者にもあることを、客観的資料に基づいて根拠付けることが重要です。

 高次脳機能障害の診断に重要な画像所見

そもそも、交通事故の被害者が、自賠責保険上、高次脳機能障害を負ったと認定されるためには、脳に器質的損傷があることが必要であるとされており、器質的損傷の判断には、MRIやCTが有用であるとされています。

交通事故により、脳に損傷を負った場合、MRIやCT画像は、その治癒過程に応じ、描出される画像所見が変わって来ます。そして、この経時的な変化を見ることも、特に、脳損傷が軽微であった場合には重要です。いずれにしても、MRIやCTといった画像検査は、交通事故後、経時的に、そして適切な時期に撮影される必要があります。

【高次脳機能障害患者のご家族の方へ】

高次脳機能障害にて後遺障害等級認定を受ける場合、基準は非常に複雑となっています。自賠責保険では、初期の診断名・意識障害・画像所見を真っ先に確認しています。というのも、高次脳機能障害というのは、頭部外傷後の後遺障害なので、初期の段階から頭部外傷に関わる診断名、そして、事故直後の意識障害も重要視されます。

一般的には、画像所見で問題が見られないとなると、後遺障害等級認定の際に不利になってしまいます。しかしながら、高次脳機能障害には個人差もあれば、様々な症状が見受けられるため、間違った等級認定をされたまま素直に引き下がるべきではありません。そこで今回は、高次脳機能障害の場合、後遺障害等級認定を受けるためのポイントについてご説明します。

家族にしかわからない障害を理解してもらう

高次脳機能障害の方であっても、一見すれば普通の人と違いはありません。しかし、家族が24時間ともに過ごしていると、おかしな行動がたくさんあるのです。それにも関わらず、病院での診断はわずかな時間で終わってしまうこともあり、正確な診断がされていない可能性が十分にあります。

これでは診断書をしっかりと書いてもらえないケースが多く、こういった医師の目に見えない点を如何に伝えていくかというのは、まさに等級認定を受ける際のポイントです。場合によっては家族に上申書を書いてもらうなどし、医師に正確な情報を伝えていかなければなりません。診断書の内容は後遺障害等級認定において非常に重要な資料の1つです。

こんな症状があったら医師に積極的に伝えるべき

高次脳機能障害とは、頭部外傷や低酸素脳症、脳血管障害などの後に、記憶障害や注意・集中力障害、知的能力の低下、言語障害、遂行能力障害などの認知障害や、人格変化に代表される行動・情緒障害などが生じるものです。一見、普通にみえるため、脳に異常があると他人から見られず、次第に社会に適応できなくなったり対人関係がうまくいかなくなったりすることがあります。

具体的には、以下のような症状がありますが、ご家族にもわかりにくいところがありますので、少しでもおかしいなと感じた場合には、早めに、医師に相談してください。脳神経外科、神経内科などが専門の診療科ではありますが、まずは、主治医にご相談頂ければ良いと思います。

【記憶障害】

朝食べたものを思い出せないなど、少し前のできごとを忘れてしまうことがあります。

【注意・集中力障害】

数を数えうる、簡単な引き算をするなどはできますが、時間とともに注意・集中力が低下し、ミスが増えたりします。

【言語障害】

言語中枢に障害を受けた場合には、話したいのに言葉がスムーズにでない、まわりくどい言い回しや言い換えをするなどといった失語症と言われる状態になることがあります。この場合も、比較的流暢に話ができたり、復唱、理解は保たれていることも多いです。また、会話が混乱し、内容が貧弱で、話題が的をはずれ社会的に不適切な話し方になることもあります。

【遂行機能障害】

行動の計画や開始、実効といった機能に障害が生じます。具体的には、日常生活で生じるさまざまな問題に柔軟に対応することができず、手紙を書くこと、予定を立てることなどが難しくなります。

【行動・情緒障害】

欲求不満になりイライラする、攻撃的になる、自己中心的になるなどといった行動、感情面に異常をきたすこともあります。

後遺障害等級認定に強い弁護士への依頼

医師の仕事は診療であり、後遺障害等級認定に詳しいわけではないと理解しなければなりません。後遺障害等級認定では検査の結果だけでなく、様々な画像も必要ですし、MRIなども見ていかなければなりません。

なぜその検査が、そして画像が必要なのかを医師に説明するとなれば、後遺障害等級認定に強い弁護士への依頼がとても重要なポイントです。中には、高次脳機能障害は取り扱いたくないといった弁護士もいますし、すべての弁護士が高次脳機能障害の後遺障害等級認定に習熟しているわけではありません。

後遺障害等級認定に強い弁護士を探したい場合、注目したいのは今までに取り扱ってきた案件数です。案件数が多ければ多いほど、その事務所には問題に特化した弁護士がいると言えます。

高次脳機能障害で等級認定されるために行うべきこと

交通事故で高次脳機能障害を受傷した被害者の方が、自賠責保険の後遺障害等級認定において、高次脳機能障害が認定されるためには、脳に器質的損傷が存在することが必要であるとされています。器質的損傷とは、身体の組織そのものに生じた損傷のことで、心因性の障害と区別されるものです。そして、器質的損傷が認められるためには、

  1. CTやMRIなどの画像所見で異常があること
  2. 事故直後に意識障害があること,
  3. 事故後の労働能力の低下が認められること

などが必要とされています。
高次脳機能障害は、記憶障害や注意・集中力障害、知的能力の低下や人格変化などを症状とするものですので、交通事故からしばらく時間がたってから異常がしてきされることも少なくありません。そのような場合には、事故直後の画像検査が十分になされていないことも少なくありません。

交通事故で被害に遭われたご家族に高次脳機能障害を疑うような異常が現れた場合には、高次脳機能障害を専門に扱う医療機関に受診し、MRIなどの画像検査や、知能テストや痴呆テストなどの神経心理学的な検査を実施してもらい、適切な診断を受けましょう。

このような検査は、交通事故からできるだけ近いタイミングで行っておくことが、リハビリなどの治療を行う上でも、後遺障害等級認定においても重要となってきます。少しでも、異常を感じられた場合には、すぐに、主治医に相談するようにしてください。

大阪A&M法律事務所では、代表弁護士が医師でもありますので、医学的な知見も踏まえ、交通事故で高次脳機能障害を受傷された被害者の方の等級認定をサポートさせて頂きます。

高次脳機能障害は当事務所にご相談ください

当事務所は、交通事故を専門的に取り扱う法律事務所として、過去に数え切れないほどの案件を取り扱ってきました。もちろん高次脳機能障害の案件も多数取り扱っております当事務所の交通事故分野への取り組みや強みはこちらをご参照ください)。

また、対応する弁護士には、医師でもある代表弁護士だけでなく、交通事故の法律問題に特化し、様々なケースに対応できるだけの専門知識を持ち合わせた弁護士がいます。交通事故問題については多くの知見を持っていますので、高次脳機能障害の後遺障害等級認定を受ける際は、ぜひ当事務所にご相談ください。