高齢者の交通事故

交通事故の発生件数は年々減少しており、平成25年の発生件数は、平成24年と比較すると5388件減少しています(警視庁交通総務課統計)。他方、高齢者が関わる事故の発生率は増加傾向にあり、昨年発生した交通事故のうち、19.2%が高齢者の関わる事故であったとの統計結果があります。

高齢者が交通事故の被害者となった場合、高齢であるというだけでその損害額が減額することはありません。ただ、損害額は個別の事情を踏まえて算定されるものですので、高齢であった場合の特徴について検討が必要になる場合もあります。たとえば、年金受給者の被害者が死亡に至った交通事故の場合、死亡逸失利益を算定する上では、年金に対する逸失利益性を検討する必要があります。年金の種類や属性によっては逸失利益性が認められるものと認められないものがあります。

 また、認知症を患い、徘徊癖がある高齢者が事故にあった場合も、まずは一旦事故態様を鑑み、どちらの行動が事故を惹起したかを確認し、その高齢者の行為により事故が発生したとみなされるときに、認知症などの個別の要素について検討がなされます。このとき、認知症の程度によっては責任能力の有無が争われたり、親族等の監督責任が問われたりする可能性もあります。