損害論⑪・死亡による逸失利益

交通事故の被害に遭い、交通事故に基づく損害を加害者ないし保険会社に請求する場合、具体的な損害額がいくらであるかということが争いになります。今回は、その中でも死亡による逸失利益について解説致します。

 

1 死亡による逸失利益

死亡による逸失利益とは、交通事故の被害者が亡くなった場合に、被害者が生存していれば得られた収入相当額の損害のことをいいます。死亡による逸失利益の損害額は、【収入額(年収)】×【1-生活費控除率】×【中間利息控除】で計算します。

この点、【収入額(年収)】、【中間利息控除係数】については、後遺障害逸失利益の場合と同様に考えます。

 

2 生活費控除係数

 生活費控除とは、被害者が亡くなった時からその被害者について日々の生活費がかからないため、逸失利益の中からその生活費を控除することです。

その割合としては、一家の支柱及び女性は30%~40%、男性単身者は50%とされています。

 

3 判例

生活費控除係数については、将来の家族構成の変動(例えば、交通事故時には男性の単身者であったが、将来的には結婚し一家の支柱となっていたであろう場合などが想定されます。)を考慮するかが問題となります。

東京地方裁判所平成13年6月28日判決は、「死亡による逸失利益を算定するときは、得べかりし収入額から生活費相当分を控除すべきであるが、死亡した者が生存していたならば、将来にわたり、収入のうちどの程度の割合を生活費として費消したのかは、事柄の性質上、これを証拠に基づいて相当程度の確かさをもって認定することは困難である。したがって、生活費控除率は、特段の事情がない限り、被害者の性別、家族構成、年齢など、被害者の死亡当時の事情を基礎として、ある程度類型的に、収入額に対する一定割合をもって定めるのが相当であり、死亡後の事情については、それが具体的に明確になっているような場合を除き、これを考慮することは、損害賠償額算定の方法としては相当でないと考えられる」と判示し、将来の家族構成の変化については、特段の事情のない限り考慮しないと判断しました。

 

4 最後に

 交通事故における損害額の計算は、一般の方には判断が難しいものと思います。当事務所にご依頼いただければ、妥当な損害額を判断し、加害者及び保険会社に対し適正な額を主張致します。

大阪A&M法律事務所では交通事故の被害者の方の相談をお待ちしております。

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