損害論②・付添看護費

 交通事故の被害に遭い、交通事故に基づく損害を加害者ないし保険会社に請求する場合、具体的な損害額がいくらであるかということが争いになります。今回は、その中でも付添看護費について解説致します。

1 付添看護費の基準

 入院又は通院の付添看護費は、医師の指示があった場合又は症状の内容・程度、被害者の年齢等から付添看護の必要性が認められる場合は、被害者本人の損害として認められます。

 損害額については、職業付添人を付けた場合は実費全額、近親者付添看護の入院付添の場合は1日6,000円、近親者看護の通院付添の場合には1日3,000円が基準となります(交通事故損害賠償額算定のしおり参照)。

2 自宅付添費

 被害者の方が退院した後、症状固定まで自宅で療養を行う場合でも、身体の障害が重く、日常生活上介護を受ける必要がある場合には自宅付添費が認められます。損害額については、付添の必要性の程度にもよりますが、入院付添よりは低額になることが多いです。

3 判例

 東京地裁平成10年8月26日判決では、「原告は、八王子整形外科病院を退院後、しゃがむこともできず、歩行時には杖が必要で、少なくとも平成七年中は原告の妻の介護がないと生活が困難な状態にあり、原告の妻が原告の世話を行ったこと、平成八年になってからは、歩行器を使用して外出できるまでになってきたことが認められる。この認定事実によれば、原告には、自宅付添費として、一日あたり四〇〇〇円、退院した平成七年一一月七日から同年一二月三一日まで五五日分の二二万円を認めるのが相当である。」と判示され、自宅における日常生活上の介護の必要性を加味して、自宅付添費が認められています。

4 最後に

 交通事故における損害額の計算は、一般の方には判断が難しいものと思います。当事務所にご依頼いただければ、妥当な損害額を判断し、加害者及び保険会社に対し適正な額を主張致します。

大阪A&M法律事務所では交通事故の被害者の方の相談をお待ちしております。