関節可動域制限

関節とは、簡単に言いますと2つ以上の骨がつながっている部分のことをさします。

関節を曲げたり伸ばしたりすることによって、人は、パソコンを打ったり、立ち上がったりするなど様々な動作ができ、通常の運動で関節を動かせる範囲のことを関節可動域といいます。

交通事故に遭うと、その強い衝撃によって骨折したり、関節が脱臼したりすることがあります。

医師は、これらの患者さんに対して、ギプスによる固定や手術などの治療を行うのですが、ギプス固定により関節を動かさない期間が生じたり、手術により身体に侵襲が加わったりすることにより、関節周囲の皮膚、筋肉、靱帯といった軟部組織が硬くなり、関節可動域が減少してしまうような後遺症が残ることがあります。

この関節可動域が減少した状態のことを、関節可動域制限といいます。

 なお、可動域制限の測定は、当事務所の代表弁護士も所属している日本整形外科学会及び日本リハビリテーション学会制定の方式に基づいて医師や理学療法士により行われるのですが、特に、多忙な外来診療の合間に医師が可動域を測定する場合、角度計を用いずに、経験に基づいた目測によりなされることも少なくないのが現状です。

交通事故被害者の関節に関する後遺障害等級認定の評価には、通常、関節可動域が用いられるため、より正確な関節可動域の測定をしてもらうことが重要です。したがいまして、測定を受けられる前に、測定の方法などを知っておくと良いでしょう。