偽関節

偽関節とは、骨折した骨が治ろうとする(骨癒合)プロセスが、骨折部で骨と骨との間が開いたり不安定になったりすることや、骨折部の血行不良などの原因によって、完全に停止してしまう状態をいいます。

偽関節は、痛みをともなうこともありますし、骨の強度に影響を与えることもありますので、治療のために手術が必要となることも少なくありません。

 さて、交通事故による骨折の原因としては、バイクや自転車などの運転中に、相手方車両と体が直接ないし間接的に衝突したことによる衝撃や、衝突したことによって身体が道路に投げ出された際に強く地面に打ち付けられたことによる衝撃などが多く、大腿骨(ふとももの骨)や手の舟状骨(手のひらにある骨)などは血行不良などの理由から偽関節の好発部位といわれています。これら偽関節の好発部位の骨折を受傷した場合は、偽関節になる可能性を意識し、医師の指示に従いながら治療を進めることが必要です。

 たとえ偽関節になったとしても、現在では偽関節に対する手術の技法が向上したことなどもあり、整形外科専門医のもと治療を続けていれば偽関節の後遺症を残すことは少なくなってきていますが、治療には長期の期間を要します。

偽関節に関する後遺障害の等級としては、7級から12級に該当するものがあります。偽関節の場合、偽関節の治療の可能性によって症状固定の時期が異なり、適用される等級や入通院慰謝料等賠償にも影響を与えますので、主治医や弁護士などから適切なアドバイスを受けることが重要です。