事前認定では足関節機能障害につき後遺障害非該当とされたが、異議申立により後遺障害が認められ併合11級となった事例

ご相談内容

被害者 40代派遣社員(兼業主婦)女性
部位
傷病名 左足デグロービング損傷、左第1~5中足骨骨折、左前距腓靭帯損傷、左母趾基節骨骨折、左橈骨遠位端骨折、左膝内側側副靭帯損傷
後遺障害等級 11級
獲得金額 1250万円

自転車で走行中に左折車両と衝突し倒れたところを左足を巻き込まれて数メートル引きずられた事案で、保険会社による事前認定で後遺障害12級が認定されたものの、ご本人が一番辛く不便を感じている足関節の機能障害(足首が十分に曲げ伸ばしできない可動域制限)について後遺障害非該当との認定であったため、ご相談に来られました。

サポートの流れ

項目 サポート前 サポート後 増額幅
後遺障害等級 12級 11級
入通院慰謝料 240 240
休業損害 250 250
逸失利益 925 925
後遺障害慰謝料 400 400
過失相殺 -270 -270
既払金 -295 -295
合計 1250 1250
単位:万円

まず、事前認定の際に提出した後遺障害診断書及び後遺障害等級認定の理由書を確認したところ、足関節部に骨折等の外傷性の異常所見や神経損傷等が認められないことから、関節可動域制限の原因となる客観的な医学的知見に乏しいとして足関節の機能障害が認定されなかったことが判明しました。
しかし、本件の依頼者の方の場合、事故により足関節部にデグロービング損傷(まるで手袋を脱ぐように皮膚組織が剥奪してしまう皮膚欠損で、欠損が皮下組織・血管・神経・筋肉や腱・骨・関節にまでおよぶこともある。)を負い、その治療目的で足関節を約1か月間ギプスシーネにより固定したため、その間、足関節の可動域訓練が一切できなかったこととデグロービング損傷による軟部組織の癒着とが相まって足関節に拘縮が生じたことは明らかでした。
そこで、上記医学的機序を説明する異議申立理由書を作成し、主治医に同趣旨の診断書を作成していただいた上で、それらの資料を添えて異議申立を行いました。

解決内容

異議申立の結果、足関節の機能障害が後遺障害12級が認定され、事前認定で認定されていた後遺障害と合わせて併合11級が認定されました。その結果、主婦としての逸失利益約925万円及び後遺障害慰謝料400万円の損害が認定され、過失相殺等を控除しても約1250万円の賠償金を獲得することができました。

所感(担当弁護士より)

本件は、整形外科医でもある弁護士の知識、経験を生かして後遺障害認定を得ることができた結果、多くの賠償金を獲得できた事例で、当事務所が得意とする典型的な事例です。
同様のケースで後遺障害の等級認定に不満を感じていらっしゃる方は、まずは当事務所にご相談ください。