事故と洞不全症候群の発症との因果関係について、自賠責では認定されなかったものの、訴訟で因果関係があることを前提とした和解が成立した事例
ご相談内容
| 被害者 | 50代男性 |
|---|---|
| 部位 | 腰、心機能 等 |
| 傷病名 | 腰椎破裂骨折、洞不全症候群等 |
| 後遺障害等級 | 8級相当 |
| 獲得金額 | 約3600万円 |
自賠責に被害者請求をされたものの、洞不全症候群について事故との因果関係が認めれず後遺障害として認定されなかったため、異議申立を検討しているとのことでご相談に来られました。
サポートの流れ
| 項目 | サポート前 | サポート後 | 増額幅 |
|---|---|---|---|
| 後遺障害等級 | 9級 | 8級相当 | – |
| 入通院慰謝料 | 380 | 380 | |
| 休業損害 | 1750 | 1750 | |
| 逸失利益 | 4000 | 4000 | |
| 後遺障害慰謝料 | 830 | 830 | |
| ▲過失相殺・既払金 | -3360 | -3360 | |
| 合計 | 3600 | 3600 | |
| 単位:万円 | |||
弁護士が代理人として自賠責に対して異議申立を行いましたが結果は覆りませんでした。その後、事故の加害者に対して民事訴訟を提起して後遺障害の程度を争いましたが、一審判決では当方の主張が認められず、控訴を行いました。
解決内容
訴訟では、協力医による医学意見書を作成した上で、依頼者の事故前の健康状態が良好であり、事故を契機に洞不全が生じていたこと及び心臓の直接の損傷がなくとも全身打撲に伴う鈍的外傷により洞不全症候群が発生する場合があること等について、丁寧な立証活動を行いました。
その結果、控訴審においては、裁判官が事故と洞不全症候群との因果関係を肯定する心証を有するに至り、それを前提とした和解を獲得することができました。
所感(担当弁護士より)
本件は訴訟提起から和解まで2年半以上の期間を要しました。自賠責の等級認定では、因果関係が明らかな障害についてしか認定されない傾向にありますので、本件のように、直接的に受傷していない部位についての障害は訴訟による解決によらざるをえません。本件では、依頼者が事故前の健康状態の資料などを保存されていたため、事故後に生じた障害の原因が事故であることについて、裁判所を説得しやすい状況にありました。このことに加え、協力医も事故と洞不全症候群の発症について確信を持ち、その確信に基づいて医学的見地からの説明をしてくれたことも大きな助けとなりました。
自賠責で非該当とされた場合であっても、事案によっては訴訟を提起してでも争うべき場合がありますので、迷ったらまずは弁護士にご相談されることをおすすめします。
